お笑い芸人の小峠(バイキング)と交際して、タレントとしての知名度を急上昇させた「坂口杏里」が、最大手アダルトメーカー「MUTEKI」からデビューするようです。
MUTEKIといえば、2016年だけでもグラビアアイドルの高橋しょう子、元SKEの三上悠亜などがデビューしたメーカーであり、超大型新人を輩出しています。
ただ、これまでにデビューしてきた中にはいまいちパッとしない芸能人もいたので、坂口杏里ほどテレビで活躍していた子というのは、メーカーにとってもさぞかし大物を釣り上げたと感じているはずです。
しかし、デビューの裏ではAVに出演料として受取るギャラのことで、ちょっとした騒動になっていることをご存知でしょうか?
こういった問題はメディアが必要以上に駆り立てて、誤った認識のまま拡散される傾向にあるので、元業界人として当サイトなりの見解を述べていこうと思います。
AV業界のギャラの仕組みとは
まずはアダルト業界の基本的なギャラの相場をお伝えしますが、総ギャラと呼ばれるプロダクションサイドが受取るもので・・
- 企画:約20万~30万円
- 企画単体:約30万~100万円
- 単体:約100万~300万
参照:AV女優の給料(出演料)
企画・企画単体は1作品ずつメーカーとギャラの交渉を行いますが、単体だけは3〜12ヶ月の専属契約をなり、余程のことがない限り初めに契約した条件で毎月撮影が行われます。
但し、坂口杏里のような大型の単体だけは例外で、誰も予測できない契約となるとこが多いです。
AV女優はいくら(何割)もらえるのか?
業界内で取り決めがある訳ではありませんが、4割を女優に支払う契約にしていることが多いです。ただ、業態が似ている芸能界では、タレントに5~7割支払うのが相場となっているので、多少AVの方が少ないのは事実です。
ただ、最近では5割以上を女優に支払うプロダクションも増えているので、少しずつアダルト業界も健全化してきたように感じます。
これらの事を踏まえ「坂口杏里」のギャラを確認していきましょう。
ギャラは1億円以上!情報の信憑性は・・
各メディアが坂口杏里の出演料に関して推測の記事をあげています。その中で金額を記載しているものをいくつかピックアップしてみました。
ギャラは1億2000万円とも1億4000万円ともいわれているが、間に多くの人が入っている関係で坂口本人の懐に入るのは2000万円程度だそうだ。
「週刊女性」(主婦と生活社)が、「坂口杏里 1億円でアダルトビデオに出演」との記事を掲載した
出典:エキサイトニュース
他にも大手情報サイトのほとんどが同様の内容を伝えているので、出演ギャラを知りたくて情報収集した人たちは「出演料は1億円」と認識していると思います。
しかし、ちょっと待ってください!
- あなたが見た1億円の記事のソースはどこでしたか?
- 媒体が信用できそうだからと洗脳されてはいませんか?
いろいろ調べていくうちに気づくことができましたが、「坂口杏里の出演料が1億円」と報じている媒体のほとんどが、ひとつの週刊誌に書かれていることを引用しただけだったのです。その週刊誌というのは・・
週刊女性です。
他にもソースとなっているサイトや週刊誌を探しましたが、今のところ週刊女性しかそれらしい報道はしてませんでした。ということは、1億円の真相は全て週刊女性次第となるので、ソース元となる記事を確認してみることに。
「精神的に不安定になっていた彼女だけに、口説くのはそう難しくなかったようです。この1本の出演料は1億2000万円とも1億4000万円とも言われていますが、本人の取り分は2000万円前後とか。
一般的にモデルの取り分は7割程度なので、この金額は少なすぎます。それでも借金を消したいがために、引き受けたのかもしれませんね」(AV業界関係者)
出典:週刊女性プライム
上記で紹介しているのがネットにある情報のソース元なのに、「~円とも言われています」と表現しています。もしかすると週刊女性はしっかりとした裏付けをとっていない可能性が高いかもしれません。
しかも、引用した記事で気になる部分がもうひとつあり、(AV業界関係者)として紹介されている「モデルの取り分は7割程度」という箇所です。
回りくどい言い方をしたくないので単刀直入に言いますが・・
この業界関係者は全く信用できない
10年以上AV業界にいたからこそお伝えしますが、出演料の7割以上を女優に渡しているプロダクションなんて絶対ありません。
もし、本当に7割以上渡している会社があるなら、当サイトに社名を記載してご連絡ください。実際に渡している裏付けがこちらで確認できたら、本名や顔写真を公表して謝罪させて頂きます。
それぐらい自信を持って「ない」と断言できるので、週刊女性が取材した?業界関係者のコトバなんて信憑性がないということです。しかし、これだけ拡散されてしまうともう遅いので、せめてこの記事を見た人だけはこちらを信用してください。
坂口杏里の出演料2000万円って本当?
上記でも引用している記事ですが、出演料に関して記載している部分を再度載せておきます。
1本の出演料は1億2000万円とも1億4000万円とも言われていますが、本人の取り分は2000万円前後とか。
出典:週刊女性プライム
「本人の取り分は2000万円前後とか。」
「2000万円前後とか。」
「とか。」
記事を作成した方によほど言い切る自信がなかったようですね。
1億円以上のギャラに対して2,000万円しか・・このような下りで世間から記事の関心度を高める根端が見え見えで、AV業界の肩を持つわけではありませんが、偏見にも程がありすごく苛立ちを覚えました。
当然、この記事を見ていない方は「AV業界は汚すぎる・・」このように感じるでしょうから、週刊女性の記者が狙った通りに洗脳されていく訳です。
テレビや雑誌などの人間たちは、自分たちに強い影響力があるのを分かっていて平気で嘘をつきます。視聴率や発行部数を伸ばして利益を上げるためなら、他人がどうなっても何とも感じていないのかもしれません。
このいい加減な情報が拡散されるのだけは嫌だったので、現役でAV業界にいるメーカーやプロダクションに本当の取材をしてみました。もちろん質問したのは「坂口杏里の出演料いくらか?」です。
<業界歴10年以上の関係者>
昔から付き合いのある大手メーカーのプロデューサーと、100名以上AV女優が在籍するプロダクションの方から話を聞くことができました。
正直、2人とも何かを濁しながら話している感じでしたが、共通して言っていたのは坂口杏里の出演料は2,000万円ではないということです。
しかし、業界を離れている私にそれ以上のことを伝えるメリットはなく、仮に事実を聞けたとしても公表できる内容ではありません。その為、当サイトで伝えられるのは、週刊女性が報じている内容が???ということだけです。
最後に
最近、AV業界はいろいろと話題になることが多発しているので、マスコミなど各メディアから格好の餌食になっています。注目させるのが彼らの仕事なのでしょうがない部分はありますが、事実とは異なることを報じて誰かを陥れる行為だけは許せません。
今回はたまたまその餌食がAV業界だったので食いつきましたが、彼らはおいしいネタと感じれば人の不幸をかえりみず嘘をつくので、世の中で起こっている全ての問題に関わっていると思ってください。
全ての情報が偽りだとは言いませんが、ネット上にある情報の多くはそうやって操作されていると思った方が良いかもしれませんね。
アダルト業界のギャラの相場