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AV新法がもたらす業界への影響とは?業界に携わった私が徹底解説

AV新法がもたらす業界への影響とは?業界に携わった私が徹底解説

※当サイトには一部プロモーションが含まれています。

2022年6月15日、与野党の賛成多数で可決・成立した「AV新法」。正式には「AV出演被害防止・救済法」といいます。

AV新法は、日本で初めてAV被害に特化した法律で、AV出演者の心身や私生活について「大きな被害が実際に発生していた」ことから、AV出演被害の防止と被害者の救済が必要として設立されました。

女優さんのことを1番に考え、そういった被害を無くすための素晴らしい法律だと思います。

しかし、このAV新法が設立されたことによる影響は、AV業界にとってプラスになることばかりではありません。むしろマイナスかも。

今回は、AV業界に従事していた私が知っている裏話や、新しい法律により発生した業界への影響、AV女優に衝撃を与えた「AV新法」について詳しく説明していきたいと思います。

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目次

AV新法(AV出演被害防止・救済法)とは?

AV新法(AV出演被害防止・救済法)とは?

AV新法(AV出演被害防止・救済法)とは、日本初のAV被害に特化した法律で、2022年6月22日に公布され、翌日の6月23日から適用となった法律です。法令番号は令和4年法律第78号。

この法律はAV出演強要や、望まないAVへの出演被害を防止することを目的として制定されました。

一般的には、法律を制定する際には、関係者を集めて提案・計画の段階から意見を募り、業界団体に事前説明を行って多数のQ&Aを作成し、国会質問で議論を行います。

それから、周知説明会を行ったうえで法律を執行する手続きがあります。しかし、実際に意見交換した事業者側の団体はAV人権倫理機構のみ。

公聴会は、わずか一度しか行われず、現在のAV業界の現場の声も聴かずに作られました。適当にもほどがありますね。

しかし、これが「AV新法」が可決したときの流れなんです。

AV新法が設立したきっかけ

AV新法が作られたきっかけは、民法が改正され、2022年4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられたことです。

法改正前は、未されたが親の承諾を得ずに結んだ契約を取り消せる「未成年者取り消し権」が認められていたため、親の同意なく出演した商品の回収や販売中止などができました。

しかし、18歳から成人扱いになることで、未成年者取り消し権が対象外になります。それにより、未成年者の被害が増えると予想した支援団体の提案がきっかけで今回のAV新法が成立しました。

実際には、未成年者取り消し権の復活を求めていますが、その提案は見送られました。

その代わりという訳ではないが、年齢や性別を問わず、映像公表後原則1年まで無条件で契約を解除できるようになっています。

実際に未成年でAVに出演した数はゼロ

AV人権倫理機構でのアンケートでは、大手メーカーを中心に多くのメーカーでは18歳、19歳の女優の方の出演は控えており、また毎年行っている業界アンケートにおきましても、18歳、19歳の女優数はここ数年ゼロと発表しています。

民法改正に伴う成年年齢引き下げについて

適正AVプロダクションマーク

上記の画像は一般社団法人日本プロダクション協会会員に加盟している証であり「適正AV」業界の倫理及び手続に関する基本規則をベースに運営するプロダクションを表すものです。

そして、こちらがAVメーカーが加盟している適正AVマーク。適正AVであれば「IPPA」のロゴが必ずどこかに入っています。基本的にはパッケージの裏側、もしくは映像の画面右上あたりに表示されていることが多いです。

適正AVマーク

適正AVに限り、親の承諾無しに未成年者を撮影する適正AVはありません。

また、私がAVプロダクション時代に未成年者からの問い合わせに応対していたこともありましたが、親の承諾をもらえた人はゼロ。当然メーカーさんも、親の承諾のない未成年者を撮影することはありません。リスクしかありませんからね。

管理人
IPPAについては以下の記事をご覧ください。

IPPA(知的財産振興協会)とは?著作権保護やJAEの主催までしているけど…

AV新法の主な規定について

AV新法でポイントとなる主な規定は以下の通りです。

  • AV作品ごとの個別契約書の締結
  • 契約書面の交付義務と契約内容の説明義務
  • 契約から1カ月間は撮影禁止
  • 撮影終了から4カ月間の公表、発売の禁止

契約関係に入る前の面接の段階から説明すると、より分かりやすくなると思うので、一般の方にとってはあまり馴染みのないAV業界の裏側について説明していきます。

AV女優を面接するときの流れ

AV女優を面接するときの流れ

まず、必須となるのが、面接者の年齢を確認できる顔写真付きの身分証です。(パスポート・免許証・マイナンバーカードのみ)

当然、有効期限が切れているものは認められないので面接はできません。身分証に問題なければコピーを控えさせてもらい面接に進みます。

面接時は説明義務や強要問題などのトラブルが起きないように、ビデオカメラで面接を記録する旨を事前に説明し、理解してもらえた場合には面接の様子を録画しながら面接をします。その際、面接時のビデオ撮影に同意した旨を記載した承諾書に署名してもらいます。

身分証明書、面接時のビデオ撮影の承諾書の2つが揃ってようやく面接ができるのです。もしトラブルになったときに、IPPAの審査や、女性からの訴えに対して当時の様子を検証することもできますからね。

主に面接で確認するのは「お仕事の内容について」です。一つずつ説明しながら、出来ることや出来ないことの内容確認をしていきます。

面接の際に出来ない内容は確認しているので、AVメーカーから女の子ができない内容が含まれたオファーがくることはありません。

プロダクションでの面接が終わるとスケジュールを組んでメーカー面接へと進んでいきます。メーカー面接の内容は、プロダクション面接とほぼ変わりません。

管理人
AV業界を知らない方はびっくりするかもしれませんが、面接の時点でここまで徹底してやっているんです。

AV作品ごとの個別契約書の締結

面接を終えた後、メーカーが撮影を希望する場合は、AV事務所のマネージャーにオファーが来ます。その時に「作品での内容・絡みの数(SEXの回数)・出演料」が伝えられ、交渉した上で、モデルさんが出演を希望するかどうかの確認が行われます。

モデルさんがお仕事希望した場合、まずはAV事務所とメーカー同士で「作品での内容・絡み数(SEXの回数)・出演料」がきちんと記載された契約書を締結します。

モデルさんの場合、監督面接時に一緒に契約書を交わすか、現場で契約書を締結するのが一般的でしたが、AV新法の設立以降はメーカーに足を運んで契約書を締結しています。コロナ禍なってからはリモートで契約書を締結するメーカーもあるようです。

管理人
モデルさんは、監督面接でも撮影現場でも身分証と印鑑を必ず持っていきます。

契約書面の交付義務と契約内容の説明義務

AV新法の設立以前から、契約書の締結時には事務所用とモデル用の控えが必ず存在し、契約書面の交付義務が遵守されていました。

契約内容に関しては、当然ながら説明が行われていますが、より詳細な説明が必要になるようです。

契約内容の説明義務の内容に関しては以下の通りです。

  • 契約後1カ月の撮影禁止
  • 撮影拒否権
  • 健康等と任意性確保の配慮義務
  • 映像確認機械の付与
  • 4カ月の公表・発売の禁止
  • 無効事由の内容
  • 取消事由の内容
  • 法定解除事由の内容
  • 任意解除権の内容
  • 差止請求権の内容
管理人
さらに詳しく知りたい方は以下のリンクをご覧ください。

AV出演被害防止・救済法案の概要

AV新法に関する議論や問題点など

AV新法に関しては、様々な議論や問題点が浮上しています。いくつかの要点をまとめました。

めちゃめちゃ良い動画があったので紹介します。以下の動画を見てもらえれば、AV新法についての流れや、立法側の認識の不十分さが伝わると思います。

「女性はAVを見ない」と決めつけてしまっているところや、著作権についての質問に対してもまともに答えられていないところにも認識の甘さを感じます。

AV業界に関して立法側の認識が不十分

AV業界において成立した新法は、現場のヒアリングや意見交換を行わずに作られたため、立法側の認識には不十分な点があります。

AV業界の実態や女優たちの声を直接反映させることなく、一方的な規制や制約が導入された結果、現場の実情に即した解決策や改善点が見落とされています。

立法サイドの主張する「契約がない」「当日契約から撮影」といった内容は、以前の法でも対応できました。また、そんな違法行為をしている適正AVプロダクションやAVメーカーはありません。

AV業界の契約解除やコンテンツ削除について

今回議論になっているポイントは以下のとおりです。何度も言いますが、「適正AV」はこれらのポイントを元々しっかり守っています。

  • 年齢・性別問わず可能
  • 契約から1年間は無条件で解除可能
  • 契約者は契約解除による損害賠償義務を負わない

実際にAVプロダクションに携わっている時代かこのような事例がなかった訳ではありません。

契約は1年間という制限もなくいつでも契約は解除できましたし、コンテンツの削除依頼がきても真摯に対応しています。例えば、撮影が終了し、発売前に出演者からの撤退希望があった場合ギャラの返還はしてもらえます。ただし、損害賠償に関してはプロダクションとメーカーの話し合いとなり、出演者に請求されることはありません。

しかも、出演者からギャラを回収できる保証もないのに…

AV業界の契約解除やコンテンツ削除について

しっかり対応している証拠として、有名AV女優「蒼井そら AV」で検索したときに表示されているのは違法アップロードサイトのみ。違法サイトは悪意のある第三者が勝手に行っているものであり、AVメーカーやプロダクションは出演者の削除依頼にも真摯に対応しているんです。

AV新法を利用した金銭搾取も?

この法律により、新法を利用した出演者側の金銭詐取の可能性があることも容易に想像できますね。

要するに、契約内容に承諾し、契約を交わしたのにも関わらず、撮影をして発売させることなくギャラだけもらって飛ぶという事態も考えられます。

これにより、プロダクションはギャラを回収できず、AVメーカーは多額な制作費の損害を負うことになる可能性があります。

こんなのおかしいと思いませんか?

個人的には、出演者との契約や撮影に関するルールや制度を見直し、業界全体の信頼性と健全性を守るために取り組むべきだと思っています。

AV撮影時の女優差し替えが利かない

AV新法によりAV撮影時の差し替えが利かなくなりました。

特に、共演作品が多い企画単体女優や企画女優には影響が及びます。これまでは、体調不良ややむを得ない事情で現場を休む場合には他の女優さんで差し替えることができました。

しかし、AV新法により、撮影の1カ月前に出演契約書を交わす必要があるため、差し替えはできません。一人でも休むようなことがあれば、撮影はリスケされることとなります。

そういった理由から、スタジオ代や製作費をかけて撮影するAVメーカー側は大きなリスクを負うことになってしまうんです。

AV新法に対するSNS上の反応

いろんな角度からの意見を集めてみましたが、AV新法に対する賛成の声はほぼなし。他にも沢山ありましたが紹介したのはほんの一部のツイートです。

AV女優が守られる新法を発案することに悪いと思いません。しかし、AV女優はみんな嫌々やらされているという偏見や先入観によって成立しているような法律であり、もう少しAV業界で生計を立てる人たちや本気で取り組んでいる人の意見も考慮されるべきです。

AV新法に対する個人的な感想

あくまでも個人的な感想ですが、適正AVにしっかりと加盟しているプロダクションやAVメーカーは、以前の法律の枠組みでも未成年者や望まないAV出演についてしっかりと守られていたと思います。

ただ、一部のルールを守らない人達のせいで、信念を持ってやっている人達がここまで制限されてしまうことには納得いかない部分もありますね。

実際に、自ら出演を望んで契約していたのに親バレしたことで、「無理やり出演強要された」という言い訳をされたケースも存在します。

AV女優を守ってあげることは良いことだと思いますが、現場の声をしっかり聴いて適した法律にしてほしいものです。

AV業界への影響とは?

AV新法が施行されたことにより、AV業界にもたらした影響について紹介していきます。

出演本数・収入が減少する

AV新法による影響の一つとしてあげられるのが、撮影禁止期間や公表禁止期間の厳しい制限。新たにAV出演出演をする人たちは、作品が発売されるまで約5カ月以上の期間を要することになります。そのため、撮影できる本数が減少し、収入の減少につながる可能性があります。

さらに、AV新法では多くの出演契約の無効・取消・解除事由が定められていますが、特に問題視されているのは任意解除権です。

出演者は公表後1年以内(経過期間中は2年以内)に理由なく契約を解除することができることで、AVメーカー側としては、解除されるリスクを抑えるために出演者の数を絞るのは当然。そうなると出演できる人数が減り、結果的に収入の減少に繋がってしまうのです。

出演料の受け渡しはAVが発売されてから

AV新法の影響で、一部のプロダクションでは出演料の支払い時期が変更されるケースもあるようです。

以前は、通常であれば出演した翌月の15日や25日などの決まった日に出演料は支払われていました。撮影が終わっていれば、前払いや、当日に支払いするところもあります。

しかし、新法により「4カ月の公表・発売の禁止」の決まりがあるため、一部のプロダクションでは作品が発売されてから出演料が支払われるようになっているところもあるようです。

管理人
自分の意志で活動している女優さんにとっては迷惑な話ですよね。

企画女優を多く抱えるプロダクションは廃業するところも

これは、現役で業界に携わる知人に聞いた実例です。

AVプロダクションは、マインズティーパワーズのような大手プロダクションばかりではなく、さまざまな規模のプロダクションが存在しています。

単体女優は元々月1回の撮影スケジュールであるため、AV新法の影響はそれほど大きくありません。しかし、単体女優が少なく、企画女優を多く抱えているプロダクションは新法による規制の影響を強く受け廃業するプロダクションもあるようです。

規制により企画女優は思うように撮影スケジュールを組めなかった、作品が発売されるまでギャラの支払が無ければ不満がたまりプロダクションを離れてしまいます。

女優さんが所属していなければAVプロダクションの運営は成り立たないのです。

違法AV業者の増加や違法AVに流れる女優も

AV新法の規制が厳しすぎることにより、まともにAV女優をしていた人たちが「FC2アダルト動画・ポルノハブ・エックスビデオ」などの動画アップロードサイトでAVを販売したり、投稿したりする「同人AV」に流れることも予想できます。

同人AV業界では、適正AVとは異なり、性病検査や契約書面の作成といった厳格な規制が行われていない場合が多いのです。さらに、無修正のAVや法法律のギリギリを攻めた作品が制作・販売されることもあり、女優たちがトラブルに巻き込まれるケースや一斉摘発が行われることも少なくありません。

このような流れが進むと、違法な動画の増加や問題の連鎖が生じ、さらなる規制強化の可能性も高まります。

新人女優・男優が排出されにくくなる

今回のような規制により、人AV女優やAV男優のデビューが困難になっています。なぜなら、新人女優はまだAV女優としての実績がなく、契約解除や作品削除のリスクを感じるからです。

簡単に言えば、撮影したい価値のある女優でなければ、メーカーはリスクを冒してまで撮影を行わないということになります。

実際に、企画単体女優や企画女優で歴の長い実績がある女優さんの現場の数が増え、新人の企画女優のデビューは減少していことがデータからも示されています。

メーカーは信頼できる女優を選ぶ傾向にあり、競争が激しい中で新人女優のデビューチャンスが減っているのが現状です。

女性用AVの需要も増えつつあり、新人のAV男優やAV女優がデビューできなくなっているのは業界やAVファンにとっても悲しい悲しい状況なのが現実なのです。

まとめ

今回解説したAV新法についてまとめると…

  • 公聴会は、わずか一度しか行われず、現在のAV業界の現場の声も聴かずに作られた法律である
  • AV新法が設立したのは成人年齢が18歳に引き下げられたことがきっかけ
  • 実際に未成年でAVに出演したのはここ数年ゼロ
  • AV新法が設立される前も適正AV協会に加盟している企業に限りしっかり運営している
  • AV業界に関して立法側の認識が不十分
  • 規制が厳しすぎて負の連鎖が起こる可能性がある
  • AV業界に及ぼした影響はかなり大きい
  • AV男優・AV女優の新人デビューのが激減する可能性が高い

AV新法についてポジティブな要素を探そうと努力してみましたが、どうしてもAV業界にとってネガティブなことが多すぎると感じています。

AV新法による規制強化により、新人のAV女優やAV男優のデビューが困難になっていることは間違いありません。新人のデビューが激減するということは、AV業界にとってもAVファンにとってもメリットがないんです。もちろん、しっかりとAV出演に関する説明をして、契約内容に同意をした上での話に限ります。

実際に強要問題で事件になったケースがあるので規制を強化しなければならない部分もあるかもしれませんが、しっかり現場の話を聞いたうえで適正な新法を見直してほしいのが本音です。

AV業界にさらなる発展を願って、本気でAV女優に取り組んでいる方や生計を立てている方にもメリットのある新法が立案されることを期待したいと思います。

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